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雨宿りの母娘に同情した盗っ人は病弱な母親を背負い、娘の手をひいて歩きだした

 
★★★
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藤沢周平:驟り雨(はしりあめ)

嘉吉は数年前に愛する女房とお腹の子を一度に失ってから
自暴自棄になり
幸せな者を恨むようになった。
心の奥に暗い怒りをかかえて
幸せそうな家に忍び込んでは金を盗むようになる。

小やみなく降る雨の夜、通り向いの大津屋に忍び込む機会を窺いながら
神社の軒下で雨宿りをしている嘉吉。
その嘉吉の目の前に入れかわり立ちかわり雨やどりに来る人々・・・

道楽息子と、その息子におもちゃにされているらしい奉公人の娘の二人連れや
博打打ちがふたり来て、金を巡って取っ組み合いをしたり
闇の中で、繰り広げられる人間模様をじっと息をひそめて聞く嘉吉。

暫くして、今度は小さな娘に抱えられた母親が雨宿りに入ってきた。
ふたりの会話が切ない・・・

女の亭主は、若い女を作って女房と子供を捨てて出ていった。
残された病弱な母親は食べるにも困り
家賃を払えない母娘はとうとう長屋から出ていくように言われたらしい。
ふたりは自分達を捨てた亭主に金の無心に行って追い返されての帰りだった。

小雨になって神社の軒下から出ていくふたり。
小さな娘に手を引かれた母親は、力つきたように膝をついて倒れる。
嘉吉が駆け寄って助け、送っていくと言うのだが
警戒した母親は嘉吉の申し出を断って歩きだすものの
またも跪いてしまう。

嘉吉はむりやり助け起こして母親を背負い、娘の手をひいて歩きだした
女房とお腹の子を亡くした嘉吉は
以前にもこうして3人で夜道を歩いたことがあったのではないか
という錯覚に陥る。

『おれでできることなら助けになるぜ』という嘉吉の言葉に
母親もいつしか嘉吉の気持ちを素直に受け止め、、背中に身を預ける。
嘉吉は女の重さをしっかりと受け止めて、3人で夜道を歩きながら
盗みにはいろうと
闇夜に息をひそめていたことなどすっかり忘れていた。
もうすぐ夜が明ける・・・

幸せを予感させるラストは、読んでいる者を嬉しくさせる。
この不幸せな母娘のために
真面目に働きだした嘉吉の姿が浮かんできて
じんわりとしたものが胸に込み上げてきた。


 

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